夕方5時をすぎてもまだあたりは明るい。朝は遅く、夜が早い、暗い北国のイメージとは大きく異なる。まだ日暮れまで1時間半ぐらいあるよ、と言うので、海が見たい、とお願いした。以前樺太研究家の方に教えてもらった、波打ち際にできる「塩の花」を見てみたかったのだ。カーチャは快く、そして軽く「オゥケィ」と言うので、海まではさほど距離はないのだと思った。それが10分たてども30分たてどもなかなかつかない。娘のトーニャを膝の上に乗せていたので、だんだん足がしびれ、足のつま先が冷たくなって行く。それに比べ暖房の効いた車内は暖かいので、頭がだんだんぼうっと、眠くなってきた。